仕事や学校が始まり、お休みモードから気持ちを切り替えるのがむずかしい“正月病”という言葉があるようだ。そんな憂鬱な時には、キラキラでパワフルなジャニーズを思い出し、気分を上げていきたいところ。やはり、年末年始で一番ホットだったのは『史上最多の大集合!!ジャニーズ年越し生放送~ジャニーズカウントダウン2015-2016』(フジテレビ系)ではないだろうか。前回は編成の関係で、生中継がされなかったため、今回は特に大きな期待が寄せられていた。視聴率も2013年の大晦日放送では9.4%だったのに対して、今回は12.5%を記録。多くの人が注目したことがわかった。
なかでも、通常よりも企画が盛りだくさんだったことが印象的だ。今回は各コーナーをおさらいしつつ、ジャニーズが見せた底力を振り返りたい。特別企画として行われた史上初の楽曲リクエスト募集など、視聴者の意見が取り入れられるという異例の取り組みも行われ、グループの垣根を越えたコラボレーションが胸アツなシーンを多く生み出した。
■今聴きたい!ジャニーズリクエストメドレー
まずは、今回の司会を務めた嵐による「truth」からのスタート。タッキー&翼「Venus」、ジャニーズWEST「ええじゃないか」と続き、勢いが増していく。そして、何かと人数編成で話題の絶えないSexy Zoneは、5人の格差が全くなかったデビュー曲「Sexy Zone」が選ばれた。まさにファンの気持ちが投影された選曲だったのではないだろうか。最年少のマリウス葉が15歳で放送時間的に共演できないことから、会場では4人でパフォーマンスを繰り広げ、5人で歌う姿はVTRで披露された。だが、そこで終わらず観覧席にいたマリウスのもとに4人が一斉に駆け寄り、頭をなでたり、もみくちゃ状態に。メンバー愛溢れる展開に大きな歓声が沸いた。
また、Kis-My-Ft2は「Thank youじゃん!」、KAT-TUNは「Real Face」とそれぞれトロッコで登場して熱唱。そして、久しぶりの登場となったTOKIOは「リリック」をバンドで生演奏。また、京セラドームで単独コンサートをしていたHey!Say!JUMPとも中継を繋ぎ、「ウィークエンダー」を披露。ワチャワチャ感はありつつも、素晴らしいフォーメーションで9人ならではのステージを展開した。また、ジャニーズ随一の身体能力を誇るA.B.C-Z「Moonlight walker」は、安定の全員バク転を見せ、NEWSは「チャンカパーナ」で手越の伸びのある歌声と圧倒的な歌唱力で魅了した。
一方で、いつも元気いっぱいなイメージの関ジャニ∞が「大阪ロマネスク」でしっとり聴かせるなど、ファン投票ならではのチョイスが際立つ。今回はVTRでの参加となったV6は、「20周年ありがとうございましたー」(井ノ原)、「今年お世話になった皆さんに」(岡田)、「来年お世話になる皆さんに」(森田)、「感謝の気持ちを込めて」(坂本)、「皆さんが選んでくれたこの曲を」(長野)、「『愛なんだ』です!」(三宅)と、メンバーが1人ずつ挨拶をした。ラストは、井ノ原と岡田が長野を持ち上げ、まるで組み体操のよう。おそらくアドリブなのではないかと思われる展開にも動じず「V6でしたー」と冷静に挨拶をした長野がシュールで、メンバーも頬が緩む。最後までチームワークの良さを感じさせるパフォーマンスだった。
会場に戻ってきたカメラは、KinKi Kidsの「硝子の少年」を映し出す。巨大セットで降りてくるダイナミックな仕掛けに、ジャニーズのステージ演出の高さを改めて実感した人も多かったのではないだろうか。再び京セラと中継を繋ぎ、東西一緒にカウントダウンをすると、1月1日が誕生日の堂本光一をみんなでお祝い。オープニングからノンストップで、ジャニーズの層の厚さを感じたコーナーだった。
■ジャニーズスペシャルコラボメドレー
これほどの人数が一斉に揃うのは、カウコンならでは。今回は、コラボメドレーもアツかった。
TOKIOの「宙船」を、中山優馬、横山裕、手越祐也、櫻井翔、城島茂、村上信五、橋本良亮、玉森裕太、重岡大毅と、これでもかとメンバーをシャッフルして歌う。2曲目の光GENJI「ガラスの十代」では、佐藤アツヒロが“元祖”ローラースケートを披露。松岡昌宏、相葉雅紀、小山慶一郎、安田章大、濱田崇裕、宮田俊哉、田口淳之介の間を縫うように鮮やかにスケーティングしてみせた。
続く、嵐「Love so sweet」は、滝沢秀明、塚田僚一、中丸雄一、藤井流星、小瀧望、藤ヶ谷太輔、大倉忠義が登場。踊りながらみんなで肩を組む姿は、参加メンバーの距離の近さを感じさせた。そして、堂本剛と国分太一扮するトラジ・ハイジの楽曲「ファンタスティポ」では、堂本剛、国分太一、長瀬智也、丸山隆平、二階堂高嗣、中島健人が熱唱。ふだんバンド演奏のイメージが強いTOKIOの2人がマイクスタンドで踊る姿が印象的だ。ラストは思い思いのポーズでキメていたのも、シュールで見ごたえがあった。
また激しくステップを踏むV6「MADE IN JAPAN」では、二宮和也、加藤シゲアキ、渋谷すばる、中間淳太、菊池風磨、五関晃一が登場。オープニングで二宮と加藤が目を合わせてダンスをしては、同時に照れ笑い。そんな仲睦まじい様子に、会場からは歓声が。毎年、人見知りで他のメンバーと話せないと言っていた加藤。今回は楽しめたのではないかとファンも喜んだのではないだろうか。
さらに少年隊「仮面舞踏会」では、東山紀之が登場。山口達也、亀梨和也、北山宏光、松本潤、錦戸亮、上田竜也、増田貴久、桐山照史と共に歌い上げた。大先輩の登場に、華やかさと共に緊張感も加わり、パフォーマンスにキレが増す。続いて、東山は「アンダルシアに憧れて」の歌唱にも参加。堂本光一とグータッチを交わし、ステージには大野智、今井翼、横尾渉、千賀健永、佐藤勝利、松島聡、内博貴、屋良朝幸と、舞台経験が豊富なメンバーが勢揃い。圧巻の表現力を披露した。
■ジャニーズグループチェンジメドレー
別グループの曲を歌うのはコンサートではあっても、テレビではなかなか見られないもの。ライブ会場になかなか行けない人も、その楽しさに触れられたはずだ。
・関ジャニ∞→Sexy Zone「Cha-Cha-Cha チャンピオン」
得意のコスプレがここで炸裂。いろんなチャンピオンになぞって、メンバーが変装して登場し、会場は大爆笑の渦に。アリスの持ち歌「チャンピオン」にちなんで、渋谷すばる=谷村新司、安田章大=堀内孝雄に。QUEENの名曲「WE ARE THE CHAMPIONS」から大倉忠義=フレディ・マーキュリー、そして横山裕=具志堅用高(ボクシング)、村上信五=スアレス(サッカー)、丸山隆平=五郎丸歩(ラグビー)と各界のスターになりきった。錦戸亮は、まさかの有馬記念で優勝したゴールドアクターとなるべく、ウマの着ぐるみで器用に踊っていたのも、胸キュンだ。
・TOKIO→関ジャニ∞「無責任ヒーロー」
そんな関ジャニ∞の曲をTOKIOがトロッコに乗って、男くさく歌う。とくに国分が渋谷をマネているような歌い方をして見せ、ライブならではのお祭り感が漂った。
・Sexy Zone→TOKIO「LOVE YOU ONLY」
TOKIOのデビュー曲を、Sexy Zoneが歌うことに。以前よりTOKIOが好きで古い曲も聴き込んでいると話す菊池が、伸び伸びと歌っていたのが印象的だった。
・Hey!Say!JUMP→ジャニーズWEST「ズンドコパラダイス」
関西にある京セラドームにいるHey!Say!JUMPは、ジャニーズWESTの曲に挑戦。申年ということで、サルの耳をつけて歌うと、会場から大きな歓声が沸いた。
・Kis-My-Ft2→Hey!Say!JUMP「Ultra Music Power」
ローラースケートによるパフォーマンスで、Hey!Say!JUMPのデビュー曲を披露。ワイプでは、その様子を見るHey!Say!JUMPメンバーの顔も映しだされ、嬉しそうな表情が楽しめた。歌ヘタキャラで浸透している横尾が、知念のソロパートを歌うと、Hey!Say!JUMPのメンバーは一同大盛り上がり。チェンジしたグループのリアクションも見られるのが、この企画のキモだ。
・KAT-TUN→Kis-My-Ft2「SHE! HER! HER!」
完璧に振りをマスターした4人。まるで自分たちの持ち歌かのように完成度の高いパフォーマンスを披露。別のカメラで、つい自分たちでも口ずさんでしまうキスマイの姿も捉えられていて、微笑ましかった。
・ジャニーズWEST→A.B.C-Z「Za ABC~5stars~」
歌いながらせり上がったステージから、中間が宙返りで飛び降りようとするも「無理無理無理」と尻込みをして笑いを誘った。関西出身で笑いのセンスに長けているグループの強みを十分アピールした。
・A.B.C-Z→V6「MUSIC FOR THE PEOPLE」
そんなジャニーズWESTの前で、塚田が宙返りを披露し、身体能力の高さを存分に魅せつけたA.B.C-Z。パワフルかつ元気いっぱいに「MUSIC FOR THE PEOPLE」を歌いきった。
・タッキー&翼→KinKi Kids「雨のMelody」
美しいハーモニーで聞かせるタッキー&翼。しっかりと歌いこなす後輩の様子を、なんとも言えぬ表情で見つめる堂本剛にカメラが切り替わると、会場から笑い声がこぼれた。
・KinKi Kids→タッキー&翼「夢物語」
まるでお返しをするように、今度はKinKi Kidsがタッキー&翼の歌を熱唱。クライマックスは、一緒に口ずさむ流れに。2組の安定した歌声に、酔いしれる贅沢な時間となった。
・NEWS→嵐「Monster」
先ほどのキンキと滝翼のように、今度はNEWSと嵐がまるで実力を見せ合うように歌い合った。美声で有名な大野のソロパートを、歌唱力テゴマスの2人が伸びやかに歌い上げてみせた。
・嵐→NEWS「NEWSニッポン」
すると、今度は大野が本領を発揮。これぞ、大野の真骨頂ともいうべき歌声を披露し、ファンの心を射抜いた。歌い切って晴れやかな笑顔にもキュンとした視聴者はたくさんいたのではないか。
■KAT-TUN10周年記念メドレー
「僕らの街で」「In Fact」「KISS KISS KISS」を熱唱。おそらく、この4人でのカウントダウンコンサートは、今回でラスト。4人で踊る姿を目に焼き付けたに違いない。2016年、それぞれ新たな道を歩み出すKAT-TUNに、大きな拍手が送られた。
■KinKi Kidsスペシャルメドレー
20周年を迎えるKinKi Kidsも「愛のかたまり」「やめないで,PURE」と懐かしいナンバーを披露。3曲目の「フラワー」では出演者全員がステージに登場し、大熱唱をしてみせた。
■初夢2ショットBEST5
グループの壁を超えて、この2ショットが見たいという初夢を叶えるコーナー。「こういうコーナーが欲しかった」とまさにかゆいところに手が届くような企画だ。
・第5位 櫻井翔×菊池風磨
同じ大学の先輩、後輩コンビで嵐のデビュー曲「A・RA・SHI」を歌った。プライベートでもごはんに行くという2人。見つめ合ってサクラップを披露。最後はハイタッチと肩組みで締めくくった。
・第4位 東山紀之×大野智
デビュー前から東山にお世話になっていたという大野。嵐のアルバムでもカバーしたことのある少年隊の「日本よいとこ摩訶不思議」が選ばれた。2人で息ぴったり&キレのあるにバク転に会場が沸いた。ラストは背中を合わせでキメると、大野が甘えた表情で東山にもたれかかり、親密な様子が見て取れた。
・番外編 修二と彰
テレビドラマ『野ブタ。をプロデュース』での共演をきっかけに、結成された亀梨和也と山下智久のスペシャルユニットが復活。嬉しいサプライズに客席は割れんばかりの歓声に溢れ、亀梨が山下に抱きつくと、さらに会場は盛り上がった。
・第3位 松本潤×河合郁人
モノマネが得意な河合。そのレパートリーの中でも、特に似ていると絶賛されているのが松本のモノマネ。そこで「いつか2人が一緒に歌う姿が見たい」というファンが多かったのだろう。さっそくモノマネをしながら嵐の「WISH」を歌う河合に、松本が「全然似てないよ」とツッコミ。しかし、2人で歌うと本当によく似ており、思わず大笑い。和やかなハイタッチを求めたように見えた松本が、河合の頭をグシャグシャにして照れていたのも、2人の関係性が垣間見えて楽しい瞬間だった。
・第2位 大倉忠義×北山宏光
プライベートでも仲がいいことで有名な2人。おたがいの持ち歌であるKis-My-Ft2「アイノビート」と関ジャニ∞「ズッコケ男道」をメドレーで歌った。顔を近づけたり、寝転がったりと、素でじゃれ合う姿にファンは大興奮したに違いない。
・第1位 滝沢秀明×渋谷すばる
ジャニーズJr.黄金期に、東西の顔として人気を博した2人が、当時呼ばれていた“東の滝沢”“西のすばる”と書かれたTシャツを着て登場。Jr.時代によく歌われていた「明日に向かって」を熱唱。Jr.さながらのフレッシュな笑顔で歌い切った。
■年男コーナー
カウントダウンコンサートでは、年男を集めて紹介するコーナーが定番。今年は、大野智、岡田准一(パネルで参加)、重岡大毅が申年生まれということで、JUMPと同じサル耳のカチューシャをつけて登場し、“モンキースリー”として新年の抱負を語った。
ダイジェストで追ってきたが、まさに「これぞ、ジャニーズ帝国」とも言うべき濃厚な内容。ジャニーズが築いてきた歴史と、彼らが日々培ってきたスキルの高さ、結束力とファンへのサービス精神がギュッと詰まっている1時間だった。2016年の年末も、ぜひ今回を超える内容になってほしいと期待してしまう。そのためにも、今年1年ジャニーズ全体を引き続き応援していきたい。
(この記事はエンタメ総合(リアルサウンド)から引用させて頂きました)
次回もお楽しみにね!