ジャニーズ事務所の未来を担う存在ともいえる、ジャニーズJr.。最近、彼らの活躍に焦点を当てた報道が続いている。メンバーである阿部亮平と岸本慎太郎が、気象予報士の資格を取得したことや、ローラースケートが得意なメンバーで結成された新ユニット・HiHi Jetの結成など、一芸に秀でたメンバーが次々と登場しているのだ。なぜ、ジャニーズJr.のメンバーは、歌やダンス以外のスキルも積極的に身につけるのだろうか。ジャニーズの動向に詳しい芸能ライター・佐藤結衣氏に話を聞いた。

 まず、事務所初の気象予報士の資格を取得したという阿部と岸本、彼らはどのようなメンバーなのだろうか。

「阿部さんは、ジャニーズJr.のSnow Manというユニットのメンバーでもあります。整った顔立ちと勉強のできる秀才キャラで目立つ存在です。Snow Manは、A.B.C-Zに匹敵するアクロバティックなダンスパフォーマンスが特徴的で、滝沢秀明さんの舞台には必要不可欠な存在でもあります。先日まで上演されていた『滝沢歌舞伎』にも出演していました。岸本さんも、ジャニーズJr.での活動歴は長く、ジャニーズの舞台によく足を運んでいるファンの間では有名なメンバーの一人です」

 佐藤氏は、「ジャニーズはJr.時代がいちばん忙しい」と語る。さまざまな先輩のバックダンサーを務め、学業も両立しなければならない。しかし、彼らが大勢のメンバーの中から芽を出すためには、人とはちがう何かを身につける必要があるという。

「報道番組に進出を果たした、嵐の櫻井翔さんやNEWSの小山慶一郎さんの活躍に憧れを持つメンバーも増えているのではないでしょうか。実際、ジャニーズJr.の中でも高学歴化が進み、大学に進学するメンバーも珍しくなくなってきました。また、最近のジャニーズの潮流として、自分のキャラ・個性を確立するために、一芸を身につけるメンバーが増えています。しかし、阿部さんと岸本さんが、ダンス、楽器、英会話などの舞台上で即戦力になるものではなく、天気予報という、人とちがう特技を選んだのは興味深いです。これまで舞台を中心に活躍してきたお二人なので、これをきっかけにテレビ番組の天気予報コーナーへのレギュラー出演など、活動の幅が広がればいいなと思います」

 また、もうひとつのトピックとして、先日行われた『ジャニーズ・ワールド』の舞台挨拶で発表されたジャニーズJr.内の新ユニット・HiHi Jetに関する話題が挙げられる。

 同舞台は、SexyZoneやA.B.C-Zのメンバーなど若手ジャニーズが出演し、2015年12月から2016年1月にかけて東京・帝国劇場で開催される。幼少からジャニーズに所属し、舞台を中心に活躍してきた猪狩蒼弥、橋本涼、井上瑞稀、羽場友紀というローラースケートが得意なメンバー4名で結成された。一部報道によると、5年後に控えた東京五輪の追加種目候補に挙がる「ローラースポーツ」の盛り上げ役になることを期待しているとジャニー喜多川氏が語ったと報じられている。

「ジャニーさんは以前から、2020年までに“トゥエンティ・トゥエンティ”という東西のジャニーズJr.から20名ずつ計40名を選抜したグループをつくる、という構想を話されています。しかし、これまで具体的な情報は明かされないままでした。オリンピックを盛り上げるためのジャニーズ最大のユニットを想定していると思うのですが、その前兆のようなイメージですね。ジャニーズのパフォーマンスに欠かせない『ローラースポーツ』に目をつけて、ローラースケートという一芸に秀でたメンバーが集められたのでしょう」

 音楽番組が減少する中、ジャニーズJr.の活躍の場は、舞台やライブがメインとなっている。舞台で活躍するメンバーを全国区にしたいという事務所の思いが、ジャニーズJr.のメンバーに焦点をあてた一連の話題につながっているのかもしれない。また、メンバー自身もそれに応えるかのように、ポテンシャルの高い集団の中でいかに「自分」を見出していくかということを強く意識しているのだ。

 つまり、SMAPや嵐で築いてきたメンバー一人一人の個性を大切にするという事務所の方向性が、ジャニーズJr.にも浸透してきているということなのではないだろうか。他事務所のアイドルグループとの差別化を図る意味でも、今後も世間の想像を超えた個性豊かなメンバーの登場が大いに予想される。
(この記事はエンタメ総合(リアルサウンド)から引用させて頂きました)


次回もお楽しみにね!