2015年も大活躍だったジャニーズグループのメンバーたち。V6アニバーサリーイヤー、ジャニーズにおける結婚観、KAT-TUN田口淳之介の脱退……今年もさまざまなトピックがありました。今回リアルサウンドでは、ジャニーズ連載を担当している芸能ライターの佐藤結衣さんと高橋梓さんを迎え、2015年ジャニーズ総括の対談企画を実施。一年の振り返りから、2016年にむけた展望までじっくり語っていただきました。(編集部)

■先輩・後輩の共演、人間らしさ……2015年のジャニーズ総括

ーー2015年、ジャニーズ全体のトピックはありますか?

佐藤:グループを超えた、先輩・後輩の絡みが多かった一年だったように思います。昨年末は毎年恒例の『カウコン』の放送がなかったので、その分、ジャニーズの結束力みたいなものを一年かけて見せてきたというのもあるのかもしれません。映画『暗殺教室』での嵐・二宮和也さんとHey! Say! JUMP・山田涼介さんの共演や、『UTAGE!』(TBS系)でのSMAP・中居正広さんのKis-My-Ft2のメンバーいじりなど、ジャニーズだからできる先輩・後輩の絡みは例年より多かった印象です。

ーー確かに、共演が増えた印象はありましたね。

佐藤:あとは、ジャニーズ全体の“成熟”でしょうか。デビュー組の中で一番若いのはSexy Zoneですが、ハタチを越えているメンバーもいます。TOKIO・国分太一さんの結婚でジャニーズの結婚に対する暗黙のルールが解放されましたし、KAT-TUN・田口淳之介さんの人生考える(グループ脱退)宣言もありました。「アイドルも人間なんだ」ということを考えさせられた一年でしたね。SMAP・中居さんも一年かけて、随分ぶっちゃけた印象があります。

ーー人間らしさ。

佐藤:そうですね。ジャニーズ全体がもう割と大人なんだっていう。

高橋:テレビでの発言で「ジャニーズなのに、こんなこと言っていいんだ」と思ったことも多かったです。徐々に素を出してきたというか。

佐藤:お酒を飲むシーンも多く見るようになりましたよね。最近は、KinKi Kidsのお二人も『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)で日曜の昼からほろ酔い姿を披露してます。『トーキョーライブ』(テレビ東京系)(※10月より『~突撃!はじめましてバラエティ~ イチゲンさん』)でのTOKIO・松岡昌宏さんの酒豪っぷりも見ていて清々しい。

ーーそれぞれ素顔っぽい見せ方が増えたということでしょうか。

佐藤:そうですね、現実にいる人感というか。私たちの子供の頃のアイドルは、架空の人物というイメージだったじゃないですか。これは今のネット社会も関係しているかもしれませんが、ジャニーズ全体がどんどん現実に近づいているような気がしますね。私はその方が健全でいいと思っています。

高橋:現実感がこれまで以上に見えることにより、ファンが発狂することも多々ありましたが(笑)。

佐藤:そうですね(笑)。昔は、ファン一人一人の楽しみ方があったと思うのですが、今はSNSの普及もあって「◯◯というグループ、ファンはこうでないと!」みたいな呼びかけがされることもあったりして。今まではクローズドなものでしかなかったファンの声が、オープンになってきているので、事務所としてもファンの反応を無視できなくなってきているのかなと言う気もします。

ーーインターネットやSNSの普及が、ファンのあり方やジャニーズそのものに変化をもたらしている?

佐藤:TOKIO・国分さんの結婚も、まずはファンクラブにお知らせが届いて、SNSで一気に広まりましたよね。その流れを想定しての対処だったのかなとも。ファンからメディアへ印象が発信されていくというか。

高橋:V6・井ノ原快彦さんの結婚報告のときが大変で、それを踏まえてという経緯もあったようです。V6といえば、アニバーサリーイヤーの勢いがどこまで続くか気になるところですが。

佐藤:私は勢いというよりは、V6の活動はいいペース配分だと思いました。日々それぞれの分野で活躍して、アニバーサリーイヤーに『24時間テレビ』『学校へ行こう!』出演で山場を持ってくるという。デビュー以降だんだん姿を見なくなるより、「それぞれの仕事をやってます」というスタンスで活動しながら、久々にメンバーが集まると「やっぱりいいグループだね」という流れの方がいいなと。今回はモデルケースをつくったと思います。解散せず、それぞれの道でがんばることができる。そういう道が用意されているから、ジャニーズのグループは長く活動できるんですよね。今回の露出で、改めてV6のパフォーマンスのかっこよさにも気づきましたし。

ーー高橋さんの連載でも、二週連続でV6・坂本昌行さんを取り上げていたことがありましたね。

高橋:もともと職人気質なメンバーが好きなんです。そこまで注目していなかったのですが、いろいろ見ているうちに「この人かっこいいかもしれない!」と、坂本さんの良さに気づいてしまいました。そういうことがあるから、ジャニーズってやめられませんね(笑)。

■2016年期待のグループは、Hey! Say! JUMP?

ーー近年、嵐の不動の人気ぶりが続いていますが、そろそろ彼らに続くグループが出てきてもよいのかなと思うのですが、お二人はどのようにお考えですか?

佐藤:関ジャニ∞はどうでしょう。バラエティ番組で場数をこなしているおかげで、どんな相手とも臆せず共演ができるようになってきていますし、もう一段階上のステージに行けると思います。特に村上信五さんは、SMAP・中居正広さんのようにMC枠でも突き進んでいけそうです。ただ、嵐・松本潤さんのようなキャラクターがいないところが少し弱いかもしれません。錦戸亮さん、大倉忠義さんもイケメン枠ではありますが、関西ノリで生き生きしてるイメージの方が強い。甘いセリフを囁く王子様というイメージは照れくさそうですし。松本さんやKAT-TUN・亀梨和也さんのような色気のある男前キャラが出てくれば、グループとしても変化がありそう。彼らは一見破天荒ように見えますが、とても結束力が強いグループ。いい意味でチームワークがあり、悪い意味で小さくまとまりがちなところもあります。一人が突き抜けるとグループが動く、そういう起爆剤が必要だと思います。Hey! Say! JUMPもそれに近いというか。

高橋:Hey! Say! JUMPは、中島裕翔さんのソロの活躍が増えてますよね。山田さんと中島さんがいいライバル関係になったら、もっとグループとしても成長できそうです。

佐藤:少年的な魅力の山田さんと長身でモデルもこなせる中島さん。棲み分け的にもいいですよね。「JUMPには2パターンのイケメン枠ありますよ!」みたいな。

ーー人数も多いですし、2人くらい核となるメンバーがいてもいいのかもしれないですね。

佐藤:Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔さんと玉森裕太さんも、2トップで俳優枠を極めていけるといいですね。クール系の藤ヶ谷さんと、甘い感じの役もこなせる玉森さん。Kis-My-Ft2の中であらゆるドラマを網羅できると、グループの知名度も上がっていくと思います。

高橋:Hey! Say! JUMPと言えば、今年の伊野尾慧さんの大驀進っぷりはすごかったですよね! 舞台、ドラマ、バラエティ、と活躍の幅を広げました。あらゆる先輩にも好かれて……正直、いきなりどうしたんだろうと戸惑いました。先日行ったJUMPのコンサートでも、伊野尾さんのグッズだけ売り切れてましたよ。

佐藤:本当に驚きましたよね。今までずっとあんなに一番はじっこで、ファンの間でも「見切れアイドル」と呼ばれるほどだったのに。まぁ世間がようやく見つけちゃったというかんじですかね(笑)。

高橋:『24時間テレビ』(日本テレビ系)でV6・岡田准一さんが絡みはじめたのがきっかけでしたっけ?

佐藤:『嵐のワクワク学校』というイベントに出演したとき、松本さんが伊野尾さんをいじっていたのが嵐ファンの間で話題になっていたのですが、メディアで取り上げられたのは『24時間テレビ』がきっかけです。

高橋:テレビを見た母から突然『伊野尾って子、可愛いね』といきなりメールが来たときには、ビックリしました(笑)。嵐とHey! Say! JUMPはグループ性としては近しいものがありますよね。メンバーごとに担当カラーがあって、それぞれのキャラクターが明確。王道アイドル路線といいますか。関西勢で言うと、関ジャニ∞とジャニーズWESTも関係性的に近しいものがあるかもしれません。WESTも「関西ノリ」が好きなジャニーズファンをどんどん取り込んでいます。

佐藤:トータルで考えると、やはり来年はHey! Say! JUMPの流れが来る予感はします。彼らは、やれと言われれば、バラエティで全身タイツも履けますから。

ーーまだまだ見せていない活躍の幅がありそうです。

佐藤:有岡大貴さんと八乙女光さんは『ヒルナンデス』(日本テレビ系)でバラエティ慣れしてきてますし、メンバーが多い分、それぞれの役割がしっかりしていて、「ここを伸ばしていけばいいんだ」と、個人の方向性に迷いがないんです。また、彼らの最大の魅力は仲のよさ。プライベートでサバゲーに行くほどの仲良しで、そういった雰囲気は、活動にも現れてきますよね。今後得意分野でそれぞれの露出が増えていくと思いますし、グループの人気も広がっていくのでは。パステルカラーが似合うかわいらしいイメージの楽曲が最近は多いですが、実は彼らはかっこいい曲も多いんですよね。

高橋:かっこいい感じと、かわいい感じのバランスもいいです。仲良し系グループの系譜ということもありますし、嵐の次は、Hey! Say! JUMPかなと個人的に思いますね。(後編に続く)
(この記事はエンタメ総合(リアルサウンド)から引用させて頂きました)


次回もお楽しみにね!